2026年5月16日に放送されたTOKYO MX「田村淳のキキタイ!」の番組内コーナー『キキタイ!データラボ』をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました!番組では「AI×エンタメに対する日本人の本音」をテーマに、様々な調査データを掛け合わせてAI解析を行いました。
そこで今回は、番組出演の「あとがき」として、視聴者の方からも特に反響の大きかった「世代別の価値観ギャップ」と「意外な本音」について解説していきます。
公的機関やシンクタンクが発表した複数の意識調査をもとに、AIが現代の日本人のエンタメ受容度を5つのキャラクター(ペルソナ)に分類しました。まずは自分がどこに近いかイメージしながら見てみてください。
このように、単に「賛成・反対」の一言では片付けられない、多様なグラデーションが存在しています。
それぞれのペルソナが持つこだわりをみると、面白いギャップが見えてきました。
Z世代が「使うのも創るのも得意」である一方、③の推しコア層は「AIは便利で面白いけれど、私の推しにだけは嘘(AI)を混ぜないで、明確に区別して!」という強い意思があるのです。
一方で、最もアナログに見える⑤のデジタル距離派は「人間が作ることの価値(人間尊重度95)」を最も大切にしており、ペルソナ間でエンタメに求める「本質」の差がデータにクッキリと刻まれています。
番組のフリップでも特にスタジオが騒然とした、「推しの新曲がAI生成だったら聴き続ける?」という代表質問へのペルソナ別の回答がこちらです。
【推しの新曲がAI生成だったら聴き続ける?】
非常に興味深いのは、テクノロジー推進派であるはずの「②イノベーター」から出た、「完全AIになると応援先(人間)が消えるから中立」という意見です。どれだけ技術が進化しても、私たちがエンタメにお金を払うのは「人間を応援したいから」という本質的な欲求があるからなんですね。AIネイティブ世代とそれ以外には、明確な境界線があることが明らかになったのではないでしょうか。
さらに番組では、エンタメの枠を超えた「亡くなった祖父母がAIで蘇ったら話したい?」という究極の質問についても、AIによる本音分析を行いました。
【亡くなった祖父母がAIで蘇ったら話したい?】
非常に興味深いのは、普段はデジタルに最も慎重な「⑤距離派」が、この質問に対しては「お盆と同じ」として唯一明確に「YES」と回答している点です。逆に、デジタルに親しいはずの「②イノベーター」や「③推しコア層」は、偽物に本物が侵食されるリスクを本能的に察知して強い拒絶を示しました。この質問では、デジタル距離派とそれ以外という境界線が浮かび上がる結果となりました。
今回の分析を総括すると、AI×エンタメの真実は「技術でどれだけリアルなものを創れるか」ではなく、「私たちがお金を払ってでも応援したい『人間の実存(ドラマ)』をどう残すか」というフェーズに入っています 。
もっとも警戒すべきは、効率化の波に押されて完全AI化が進んだ結果、受け手側が「気づいたら本物の感動や、心から応援したい対象(人間)が消えていた」と冷めて、エンタメへの熱量や経済行動そのものが消失してしまう事態です 。
そうならないためには、AIを単なる人間の代替品にするのではなく、人間の情熱を拡張するための共同制作のパートナーとして位置づけること 。そして、ファンが愛してやまない「アーティストの今(人生)」という聖域を守りながら、新しい体験を提案していくこと 。この「人間への敬意」を真ん中に置いた関係性のデザインこそが、これからのAI時代にエンタメ業界をより豊かに発展させていく、データが教える未来への正解なのではないでしょうか
次回のトレンド解説でも、生活者のリアルな変化をデータから読み解いていきます。どうぞお楽しみに!
※Tverは、放送後1週間限定の公開です。期間外は該当の放送回がご視聴いただけませんのでご注意ください。