顧客データは、チームがそれをもとに行動できて初めて価値になります。これまで Treasure AI ユーザーは、ブラウザ画面を開くことから顧客情報へのアクセスが始まりました。ログインし、オーディエンスやジャーニーを組み立て、配信し、画面を閉じる。何度もUIをクリック、ドラッグアンドドロップする。その結果 Treasure AI プラットフォーム上の操作の 95% 以上は人間が UI(ユーザーインターフェース)を操作して生まれています。
しかし近い将来この状況が終わりを迎える、 95% 以上の操作は AI を通じてなされるようになると私たちは考えています。AIはオーディエンススタジオやジャーニービルダーをクリックして回ったりはしませんし、セグメントのボタンがどこに移ったかを知るためにウェビナーを見たりもしません。直接APIを叩き指令通りに操作する事が出来るのです。
こういった世の中の変化に対応するため、Treasure AI を「Headless」な Agentic Experience Platform にしました。UIを操作することなく、AIがTreasure AIの全ての機能とオブジェクト (顧客データ、セグメント、ジャーニー、アクティベーション) にアクセスできます。我々の見立てでは今後12〜15か月で、セグメントやジャーニーが手作業で作られることはなくなります。その間、人間は方向を定め、成果物をレビューし、AIの取るアクションを承認します。
AI は劇的に速度を上げ、さらに価格はコモディティ化しています。私たちの製品の中でも、この12か月で15分かかっていたタスクが数秒で終わるようになった例があります。知能のコストが下がるほど、自動化できるワークフローは増え、チームは判断と創造性、そして成果に集中できるようになります。
基盤モデルには誰でも安価にアクセスできるようになりました。違いを生むのは、基盤モデルに与える "顧客コンテキスト" です。その人が誰で、何に同意し、1時間前に何をしたのか。チームが説明責任を果たせるルールの下で、それを扱えることです。私たちはこのレイヤーの構築に15年をかけてきました。Headless なAgentic Experience Platformは、その顧客情報をより多くの業務やアプリケーションで使えるようになります。
我々自身のエンジニアが同じような体験をしました。彼らにとって、コードを手書きすることは選択肢になりつつあり、仕事は指示とレビューに移っています。この変化は全部署に広がっており、次に表面化するのはマーケティングです。AI がセグメントを作れば、チームはより多くのキャンペーンを打てます。キャンペーンが増えれば、売上も増えます。
データも権限もそのままに、アクセスできる手段を増やします。アクセス手段は2つあります。
お客様からは、確認しに行く場所をこれ以上増やしたくない、という声をもらいました。そこで Treasure Data Connected World 2026 -Empower-(2026年10月20日、東京)で Treasure AI Agent Gateway を発表しました。まず Slack と Teams 向けのコネクタを提供します。続いて、Claude や ChatGPT Enterprise から接続できるリモート MCP サーバーです。チームが Slack で仕事をしているなら、Slack から @ メンションで Treasure AI にアクセス出来ます。
コーディングエージェントも同じです。Claude Code、OpenAI Codex、VS Code with GitHub Copilot、Cursor からTreasure AI を操作する事ができます。CLI をインストールし、認証コマンドを1回実行すれば、コーディングエージェントが Treasure AI の熟練者のように、操作開始します。アプリに Vercel AI SDK を組み込んでいるなら、そこからプラットフォームの機能をすべて呼び出せます。
2月に提供を開始した CLI、Treasure Code は、自然言語でプラットフォーム全体を操作します。その裏側には、70以上のマイクロサービスと数百の API を使いこなすのです。AIエージェントが何か分からない事があった場合、 MCP 経由でドキュメントを読み、自律的に問題解決を試みます。
単にプラットフォームに接続するだけではなく、プラットフォームを使うための スキル / 知識も同梱して提供されます。400以上の CDP 導入から得た知見にもとづく、ジャーニーとメールの設計、ランディングページ、SQL の最適化、プラットフォーム設定、SDK 連携のスキルです。API はエージェントに何ができるかを伝えます。スキルは、どうやればうまくいくかのノウハウを伝えます。
Claude Code や Codex を Treasure AI に向け、スキルをダウンロードすれば、その場でプラットフォームの正しい使い方を覚えます。何時間も Webinar に参加してプラットフォームを学ぶ必要はもうなくなりました。AIを使うことで、組織の中で顧客データに実際に手が届く人が増えます。
Headless は UI の終わりではありません。Treasure AI Studio は、人間のためのワークスペースとして残ります。
判断は人間が行います。AIは、与えられた権限とガードレールの中で動きます。会話はそれぞれ独立したコンテナで実行され、ネットワーク接続とファイルアクセスは追跡され、すべてのアクションは監査ログに残ります。配信のように顧客に届くアクションは、明示的な人間の承認を待ちます。
エージェントがチームの代わりに動いても、責任はチームに残ります。この点は変わっていませんし、変えるべきでもありません。
多くのソフトウェア企業は、AI を出来る限り自社の環境で動かそうとします。仕事を自社のエージェントに持ち込み、自社の壁の中で回し、そこで学んだこともすべて自社の中に留めます。
私たちは、別の選択を取ります。自社の AI はこれからも改善します。Treasure AI のエージェントがなくなるわけではありません。ただし、それが唯一の解答にはなりません。お客様が選んだ AI(Claude、ChatGPT、Copilot、あるいは自社で構築したもの)が、同じ顧客文脈情報に、同じルールの下で、しかも正しく使うためのノウハウとともにアクセスできるべきです。
だから私たちはプロダクトをオープンに作り、自社の AI を選択肢の一つとして提供します。
Treasure AI は UI を使わずに操作できる「Headless」な Agentic Experience Platform になりました。AIが、Treasure AI の機能とオブジェクト (管理された顧客文脈情報、セグメント、ジャーニー、アクティベーション) を全て操作できます。400以上の CDP 導入から形づくられたスキルを組み合わせ、AIがインストール直後から既にプラットフォームの熟練者になります。
CLI の Treasure Code はすでに利用でき、Claude Code、Codex、Copilot、Cursor から動作します。Agent Gateway とリモート MCP サーバーは、順次提供を開始しています。
AIは予め定義された権限の中でのみ動作し、顧客へのアクションには明示的な人間の承認が必要です。今後12〜15か月の目標は、AIによるセグメントとジャーニーの作成を当たり前にし、人手の作業を無くすことです。人間は方向を定め、アクションを承認し、成果に対する責任を持ち続けます。
その未来を、いま、一緒に準備していきましょう。