ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ発動機における、Treasure Data CDPを活用した顧客情報基盤の構築

藤本 勝治氏 ヤマハ発動機株式会社
nIT本部デジタル戦略部デジタルマーケティンググループ 主務

藤本 勝治氏

ヤマハ発動機株式会社 nIT本部デジタル戦略部デジタルマーケティンググループ 主務

Table of Contents

Treasure Data CDPを2018年から導入し、活用を進めてきたヤマハ発動機株式会社(以下ヤマハ発動機)。Webアクセスの分析に利用していた導入当初から、最近ではOMO(Online Merges with Offline)を実現する顧客情報基盤構築のためのデータハブとして、Treasure Data CDPを位置づけています。

ヤマハ発動機がどのような経緯を経て現在の活用方法になったのか、IT本部デジタル戦略部デジタルマーケティンググループ・主務である藤本 勝治氏より解説いただきました。

本稿は2023年に開催されたPLAZMA30特別セッションより内容を編集してお送りします。

顧客の体験が変化する時代に、いかに感動を創造するか

より良い体験を提供するために:顧客の体験サイクルを表す、認知 → 興味 → 探索 → 訪問 → 購入 → 体験 → 共有の円形図 → 様々な顧客接点をデータでつなげてお客様をより理解する必要がある、そのために必要なのが顧客情報基盤

自社Webサイト分析からスタートした顧客購買行動プロセスの分析

オフラインイベントの来場者をオンラインのマーケティング施策に接続する

OMOのマーケティング活用:CDPを活用したイベント会場でのオンラインアンケートを実施。イベント来場者の属性情報(二輪免許所持者数、保有バイクメーカー、購入形態、キャンペーン応募者)を把握・グラフで示し → 東京モーターサイクルショー2019で、アンケート回答者のイベント前後でのオンライン上の行動変化を分析したグラフを図示。イベント前後のオンラインでの顧客行動が可視化。
メールマーケティングの結果表:4つのセグメント(①バイク所有×大型/普通免許、②小型/原付免許、③バイク未所有×大型/普通免許、④バイク未所有×免許なし)ごとの、配信到達率、HTML開封率、クリック/開封率、オプトアウト率を比較(他、送信総数、送信到達総数、クリックスルーレート、総オプトアウト数)。各セグメントのパフォーマンスに「良質」「高感度」「期待感」「好感度」評価が記載。参考に、大企業向け 業種別メールマーケティングレポート2016:自動車・運輸業界平均の開封率・クリック率も併記。セグメントごとにコンテンツを分けて配信した結果、思った以上の好成績。
デジタルマーケティングの本格化:店舗送客施策の実施。店頭でQRコードをスキャンしてもらうことで、店舗送客施策の効果測定が可能に。ターゲティングメールのCVR(コンバージョン率)の推移を示す図表があり → 店舗送客の測定だけでなく、最終的に販売に結びついたかどうかが知りたい。しかし、販売実績データは内製の基幹システムにしかない(標準コネクタは使えない、と補足。基幹システムからどうやってTDに販売実績データを転送するか。

オンプレミスの基幹システムとのデータ連携で、60万人分の顧客カルテを生成

基幹システムからのデータ取得:ETLツール導入(基幹システムはDBの構成が複雑なため)、embulkを使ってとりあえずTDへ(あとから考える)」。
基幹システムからembulk(なんとTD製しかも無料)を介してTreasure Data CDPへとりあえず送る(この汎用性の高さが有難い)、TDからCRM Salesforce(ちゃんと整形してから送信する)へ連携する構成。
より深く顧客を理解するために:保証登録、コールセンター入電履歴、バイクレンタル、Webアンケートといった、あらゆる情報は、embulkを通じてTreasure Data CDPに集約され、CRM Salesforceへと連携されるフロー図。社内にある、あらゆる顧客情報をTD経由でSalesforceに集約。約60万人分の顧客情報基盤を構築。

カスタマージャーニーを可視化し、Just in Timeのマーケティング施策を実現

実データに基づいたカスタマージャーニーの可視化:2019年4月から9月にかけてのユーザーの行動が時系列で表示。4月:Web閲覧(MT-09大型バイク)→ 7月3日:キャンペーンWeb応募(普通二輪免許&MT-25バイク所有)→ 6月:ヤマハバイクレンタル → 7月6日:免許Web → ヤマハバイクレンタル → 8月30日:来店アンケート(QRコード→webフォーム)普通二輪免許から大型二輪免許 → 9月3日:MT-09購入へと続く。興味関心フェーズから検討フェーズ、そして購入に至るまでの顧客行動のすべてがつながる → Just in Time(ちょうどいいタイミング)なマーケティングアクションの実現も可能に。

お客様とつながり続けるコミュニケーション基盤が必須

顧客情報を集約して見えたもの:
顧客との最終接点を2010年以降と2020年以降で比較、直近10年間で接点がないお客様が約80%もいることが判明(他社に乗り換えた?情報が更新されてない?情報が無いのでわからない)。お客様とつながり続けるためのコミュニケーション基盤が必要。顧客情報を更新し、購買行動以外の入手もして、ヤマハファン向けカスタマーポータルサイト「My YAMAHA Motor Web」の開設。
顧客とのつながりを維持するための基盤構築:OMO(Online Merges with Offline)の実現として、オンラインでは顧客接点を集約してより便利に、オフラインではイベント来場者がチェックインを行うことで来場者の追跡が可能に。ロイヤルティ施策の導入として、整備情報入力、キャンペーン参加、イベント参加、保有スタンプやステータスによるポイント報酬アイテム、お客様のアクティビティに応じてのステータスアップ、ステータスごとに様々なベネフィットを提供、この循環を回していくことでお客様とのつながりを強くしていく。
開発ゼロのシステム連携:AWSには「会員情報」「整備記録」「イベント参加」「ロイヤルティステータス」などのデータが格納、AWSからTreasure Data CDPへはMySQLで型を気にせずとりあえず転送。続いてCDPからCRMシステムのSalesforceへはSFDCのデータ型に合うように整形、SFDCからCDPへは型を気にせずとりあえず転送、さらにCDPからAWSにはMySQLでAWSのデータ型に合うように整形。
ここでもコネクタが大活躍(I/F(インターフェース)はノーコードで開発なし)スケジュール設定も標準コネクタ内で完結。
さいごに:たどり着いたTDの立ち位置。オフラインでのビジネスがメインである我々にとってのTreasure Data CDPとは。OMO(Online Merges with Offline)を実現するデータ統合基盤であり、顧客接点と顧客情報基盤をつなぐデータハブである。
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