常駐エンジニアから、SaaSプロダクトの「最後の砦」へ
これまでの経歴を教えてください。
前職ではデータベースベンダーでプロフェッショナルサービス(PS)として、お客様先に常駐しながらデータベース関連の技術支援を行っていました。2019年2月にご縁があってTreasure AI(旧Treasure Data)に入社し、現在はStaff Customer Reliability Engineerとして、日本のCREメンバーをリードする役割を担っています。
入社のきっかけは何だったのでしょうか。
実は、前職で常駐支援をしていたお客様が、現在CREチームのマネージャーだったんです。そこからのご縁でお声がけいただき、転職を決めました。
当時はオンプレミスからクラウドへの移行がまさに進んでいる時期で、データベースという専門領域だけでなく、もっと広い技術の世界を見てみたいという気持ちがありました。前職はとても大きな会社だったので、もう少し自分ができる範囲が広く見えるような会社に行きたいと思っていたところに、まさに渡りに船という感覚でしたね。
現在の役割を教えてください。
日本のCREメンバーをリードする立場として、自分でチケットを回すことに加え、他のメンバーが対応しているチケットに目を通し、アドバイスをしたり、対応方針が違う方向に進みそうな時に軌道修正をしたりしています。また、週3回、メンバーが気軽に相談できる「相談会」も主宰しています。もちろん自分自身も直接お客様からの問い合わせに対応しています。
前職のPSと現在のCRE、役割の違いはどこにありますか。
常駐しているかどうかという違いはもちろんですが、一番大きいのはCREが「本当の最後の砦」であるという点です。PSはお客様のビジネスを理解した上で支援をしますが、製品自体の不具合になると最終的にはベンダーのサポートに引き渡します。一方、CREは製品ベンダー側の人間なので、自分たちがエスカレーション先そのものです。ソースコードまで潜って原因を特定しなければならない場面も多く、そのぶん技術的な深みは大きく変わったと感じています。
「謎解き」の面白さと、信頼回復までやり切る大変さ
普段の1日のタイムスケジュールを教えてください。
毎日、お客様からの問い合わせ対応を基本にしています。それに加えて、他チームからの相談対応、お客様に影響がありそうなリリースのレビューや、そこから必要になった通知作業、ドキュメントの改善なども適宜行っています。
業務の中で「これが一番面白い!」と感じる瞬間はありますか。
AIを使っても簡単には調査できないような、複雑な問題の原因を特定できた瞬間は大きな達成感があります。新しい機能ほど過去の類似事例が少なく、だいたい調べても外れることが多いのですが、そこを自分の経験とキャッチアップの速さで突き崩していくのが面白いところですね。原因特定までは、お客様のビジネスが止まってしまう可能性もあるので、1週間以上かからないように意識して進めています。
逆に、大変だったエピソードを教えてください。
一番印象に残っているのは、クエリの実行結果が正しく返らないという不具合でした。データの正確性に関わる問題は、サービスへの信頼そのものを損なってしまいます。そのため、原因を特定して修正するだけでは終わりません。「今後どうやって信頼を取り戻すか」まで含めて報告する必要がありました。
事前にどうすれば不具合を検知できたか、テストシナリオをどう広げられるかを整理し、お客様が理解できる形で報告書を作成しました。カスタマーサクセスや開発チームなど、巻き込むステークホルダーも多岐にわたるので、それぞれの立場や重視するポイントを尊重しながら、現実的にどうあるべきかを整理して方針を示す。この「交通整理」のような役割が、CREとして一番近い立ち位置だからこそできる仕事だと思っています。
お客様と開発チームの間で、意識しているスタンスはありますか。
事実と推測を明確に区別すること、そして自分自身のこだわりをなるべく捨てて、フラットに物事を捉えることを意識しています。自分の好みを重視してしまうと、全体としては無駄になってしまうこともあるので、開発チームには端的に事実に即して伝え、お客様には不必要な情報を削ぎ落として理解しやすい形で伝える。どちらかに寄りすぎないフラットな立ち位置を保つことで、自分が介在する価値を出せるようにしています。なるべく自分でボールを持たないようにする、というのも心がけている点です。
気軽に相談し合える文化で早く成長する
CREチームを一言で表すと、どんなチームですか。
助け合うことが当たり前で、仲がいいチームだと思います。気軽に何でも言い合える雰囲気があり、新しく入ったメンバーが自分で抱え込まずにどんどん相談できる文化が自然にできています。あとはインシデントが発生すると、インシデントに注力するメンバーとそれ以外のメンバーに自然に分かれて、それ以外のメンバーはインシデント以外のお問い合せ対応を巻き取ることに違和感を覚えないことが素晴らしい文化だと思います。
そのカルチャーはどうやって生まれたのでしょうか。
メンバーの考え方が似ているのだと思います。IT業界は変化が激しいので、相談を躊躇していると解決に時間がかかってしまう。それよりも早く相談してもらって、早く独り立ちしてもらった方が、会社にとっても本人にとってもハッピーだという考え方が根付いています。実際、週3回の相談会も、そうした「やりきってから相談する」ことで時間がかかりすぎてしまうのを防ぐために始めた取り組みです。口頭で直接話す方がやりやすいこともありますので、チームで出社日を合わせてやることもあります。
ご入社後は短期間で活躍されたとお伺いしましたが、キャッチアップの仕方で工夫していたことはありますか。
他のメンバーが対応している問い合わせをなるべく見るようにしています。自分ひとりだと自分がアサインされたチケットしか経験できませんが、他のメンバーのチケットにも目を通すことで、少ない労力で自分の何倍もの経験を得ることができます。これは自分の成長にもつながっているやり方だと思っています。
AIによって変わった仕事、これから挑戦したいこと
トレジャーデータからTreasure AIへブランドが変わりましたが、AIによって仕事はどう変わりましたか。
並列でいろいろなタスクを進められるようになったので、効率がとても良くなりました。誰でもできるけれど時間がかかるだけの作業はAIに任せて、人間の判断が必要なタスクに集中できるようになっています。ソースコードの確認をAIにお願いすることで当たりをつけるスピードも上がりましたし、調査用のツール自体をAIに設計・実装してもらうこともあります。「こういう問い合わせが来たら、こういう方向で考えて解決してみて」という形で指示を出すイメージですね。
これからチャレンジしたいことを教えてください。
CREチームに問い合わせをいただけるのはありがたいことですが、本来はお客様が無理なく自己解決できる状態が望ましいと考えています。そのためのシステム作りに挑戦したいです。まずは公開ドキュメントの充実です。ドキュメントをインプットとしてAIが回答してくれる仕組みがあるのですが、ドキュメントに書いてないことには対応できません。CREチームには自分含めて多くの暗黙知があると思うので、それを積極的に公開していきたいと考えています。
Treasure AIに興味のある方へ
CREの仕事に向いている人はどんな人だと思いますか。
技術力ももちろん大事ですが、なによりもモチベーションが高く前向きな人がTreasure AIにはマッチするのではないでしょうか。あとはトライアル&エラーを高速で回せる人なんでしょうかね。サービスがどんどん増えていく会社なので、新しいものを面白がって前向きに取り組める人は活躍できるはずです。
最後に、Treasure AIに興味のある方へ一言お願いします。
Treasure AIは各チーム間の障壁が低く、人任せではなく自身でリードするという気概を持つ人が多いと感じています。また、コミュニケーションはなるべく公開することが推奨されており、フェアであろうとする社風は働きやすいと思います。迷っている方は、ぜひ応募してみてください。自分自身も応募するときはドキドキでしたが、一歩踏み出してみて世界が広がりました。一緒に働けることを楽しみにしています!